2015年5月1日金曜日

【途中経過:5】Blenderのスカルプトモード(Sculpt Mode)で作成中

目を入れてみたら、まつ毛や眉毛を作ってみたくなりました。眉毛まつ毛を作ったら、ついでに髪の毛も……。

このあたりは、少し本体をいじるとなると、すべてやり直しになってしまうので、今やるのが正しいのかどうかわかりませんが、とりあえず、どんな感じになるのか、確認のために作り込んでみました。

今回は、まつ毛も眉毛もパーティクルヘアーを使っています。
PoserやDAZのフィギュアではまつ毛や眉毛はたいていポリゴンの板に毛のテクスチャを貼り付けて作られています。MakeHumanでも同じです。
ただ、最近流行りのZBrushの作例を見ていると、まつ毛の一本一本をポリゴンで作り込んでいるものもあるようです。

表現したいものをどんな方法で形にするかは作り手の気持ちと、選択可能なツールの性能によって決まります。

現在は、個人で所有できる価格帯のコンピュータにBlenderのようなフリーの3Dグラフィックシステムをインストールして、数十万ポリゴンのデータを軽々と扱うことができるようになっています。
CGを商用映画で初めて多用した「トロン」が公開されたのが1982年、これ以降「トーキー」「カラー」に次ぐ映画界の革命として「CGアニメーション」が話題に上ることが多くなりましたが、このころは専用のコンピュータを用いてレンダリングするのが当たり前でした。
当初、モデリングはPC上ではできず、紙の上に書いてみるなり、何らかの方法で計算してみるなりして、グリッドの座標を求め数字を入力するという方法が取られていたようです。
入力した一つの点から効率よく立体を作り出すため、あまりポリゴンは使用せず、球や円柱などの中心点・直径・長さなど、限られた特徴で表すことのできるプリミティブと呼ばれる形状を引き延ばしたり、ブーリアン演算したりを繰り返して思った形状を生成していました。
それが、汎用のPCを大量に並列接続してレンダリングさせるという手法が開発されると、CGは専用のコンピュータを持っている企業だけのものではなくなります。
作業がPC上で完結すれば、設備導入にも無駄がありません。徐々にPC上で動作する、使い勝手の良いモデリングシステムが開発されるようになります。
そうなると、自由度の高いポリゴンが多用されるようになり、さらにPC単体の性能向上との相乗効果で、ポリゴンをつなぎ合わせることがモデリングの作業のほとんどを占めるようになっていきます。
そんな流れの中で、今、モデリングの中でも、ポリゴンの生成に極端に特化したのがデジタルスカルプトというモデリング手法というわけです。

……と、話が大きく逸れましたが、とりあえず、今回は、まつ毛をパーティクルヘアーで作ったわけです。(笑)

これでは眉毛がわかりにくいですね。

髪の毛を取るとこんな感じです。

全身を見るとこんな感じ。

横顔もレンダリングしてみました。

もう少し引いてみるとこんな感じ。

もともとインスピレーションを受けた、球体関節人形風の不思議っぽさは残しつつ、3DCG独特のリアリティが出てきたんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう?

さて、上の方で書いた話の続きです。
今回、まつ毛をどうやって作ろうかと思ったときに、ZBrushの作例をいくつかWeb上で見て、なんというか……新しい時代が来たんだなと思ったのです。
当初、3DCGは、商業的には実写と合成して使われることが多かったので、フォトリアリスティックな表現が求められていました。
しかし、ゲームに3DCGが使われるようになると、多少のリアリティを犠牲にしてもゲーム機上でリアルタイムで処理できる限界までポリゴン数を落とすことが重要視されてきました。
そして、今、PCの性能が向上し、デジタルスカルプトという手法が台頭して来るにつれ、ポリゴン数を減らすことよりもよりも、再度フォトリアリスティックな表現を求める時期が巡ってきたのかなという気がしています。ただ、今度は実写との合成とはまた違うニーズにけん引されているように感じます。
同じイメージでもどのように作られるのかは、その時々の技術的、経済的、社会的な背景に依存します。
特に最近は、3DCGは映像技術だけでなく3Dプリンターという新しい出力デバイスと密接につながりつつあります。そうなると、ローポリ+マッピングで表現するのではなく、一旦細部までポリゴンで覆われた塊として表現できるかどうかが重要になる……のかもしれません。
ともかく、デジタルスカルプトは、ちょうど時代に求められていたものであり、3DCGが一段違う領域に飛び出すための最後のピースだったのだなという気がしています。

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