2015年5月10日日曜日

「最期の竜」作ってみました。

ゴールデンウィーク中の成果として、何かそれっぽい作品を作りたいと思いました。

まとまった休みを取る機会に恵まれたので、ゴールデンウィーク中に作りはじめて、それなりに作品らしく見えるところまで作り終えることを目指しました。

まず、パッと見ただけで何かのストーリーの一場面だとわかるものにしようと考えました。
また、Blenderのスカルプトモードを使って、何か、クリーチャー的なものを作ってみたかったので、ファンタジーの一場面を作ることにしました。

ファンタジーといえばドラゴン(笑)。
というか、ドラゴンであれば、これまでにいろんな解釈をされているし、完全に架空の存在ですから、ファンタジー界の事情に比較的疎い私が、適当な解釈を与えても問題ないでしょう。

ドラゴン単体をリアルに作り込んでみるのもよさそうですが、ドラゴンと人間を並べて描いたときのリアリティとか、ドラゴンと人間との関係性とかドラマみたいなものが描けたら面白いかなと思いました。
ドラゴンと人間というと、猛々しく暴れまわるドラゴンとそれに立ち向かう勇者というテーマにも興味をそそられますが、私が思いついたのはもう少しおとなしい場面でした。
森の中に傷つき弱り果てて横たわるドラゴンに、ひざまづいて語りかける女性。イメージしたのはこんな感じです。

さて、せっかく作品を作ろうと思い立ったのですから、プロっぽくラフ画から描いてみようと思いました。
といっても、こんなのですが……

斜め上から光が差して来る感じにして、あとは森の中っぽくなるようにいろいろ配置できればいいかなと。

とりあえず、ドラゴンの頭部を作ります。
インターネットで「ドラゴン」とか「竜」で画像検索をかけるといろいろ出てきますが、意外にイメージにあうものが見つからなかったので、ワニの写真を参考にしました。
特に、口を閉じたときの歯がどう見えるのか気になったので、こんな写真や、こんな写真を参考にしました。
あと、ワニのままでは目が上に付きすぎているので、恐竜のこんな絵も参考にしました。
Blenderのスカルプトモードを使えば、思ったより簡単にこんな感じに仕上がりました。

次に、新たにMakeHumanで人間を作成しました。
久しぶりにMakeHumanのUnstable版をダウンロードしてみると、それっぽいポーズがつけられたり、変なウエットスーツを着たようなスキンがあったりと、いろいろできることが増えていました。ただ、ここで遊びだすとキリがないので、今回はともかくファンタジーに出てきそうな白人女性を作って、Blenderにインポートしました。
Blender内でポーズをつけたらこんな感じです。

一旦、ドラゴンと人を並べてみます。
サイズ的にはこんな感じでしょうか。

ドラゴンのマテリアルを設定して、一旦軽くレンダリングしてみます。
人間の方は、肌のテクスチャについてはMakeHumanからエクスポートされるものを流用していますが、SSSが効くようにマテリアル設定を変えています。
レンダリング結果を見ると、そんなに間違ってない感じがするので、このまま進みます。

斜めに光が入ってくる感じを出すのに、ライトは太陽光の一灯で、単純に遮光板を置くことにしました。
背景になる木を生やして、後ろに霞をかけています。
霞は直方体をデーンと広く置いて、サーフェイスを「透明BSDF」、ボリュームを「ボリュームの散乱」に設定しています。これでバック全体を覆うと、全体に霞がかかった効果が出ます。

ドラゴンの皮膚のマテリアルはいろいろ試した結果、こんな感じにしました。
ボロノイテクスチャを反転させてディスプレイスメントに与えて鱗の感じを出しています。
また、傷つき弱り果てたドラゴンは、所々、鱗も剥げ落ちて肌が露出しているという設定で、所々にピンクにうっすら光る部分を作りました。これで、影になって黒くつぶれてしまっても、ドラゴンの外形がわかります。

牙の部分は別のマテリアルを与えています。
ドラゴンは、結局最後までUV展開はしませんでした。

背景に転がすために、朽木をモデリングしました。
円柱を斜めにして、スカルプトモードでガリガリと木の表面っぽく凸凹をつけました。
たぶん、真っ暗で見えないだろうとは思いましたが、一応樹皮っぽいものを描いておく必要があるかと思い、こんなマテリアルを設定してみました。
レンダリングするとこんな感じです。

森ですので、この朽木にツタが絡まって伸びているほうが雰囲気が出そうです。
IvyGenというBlenderのプラグインを使ってアイビー(ツタ)を絡ませてみました。
なんかそれっぽいですね。
IvyGenは、パラメータを少し変えると見た目ががらりと変わるので、何をどう調整していいのやら迷ってしまいます。参考までに、この時のパラメータを載せておきます。
葉っぱは、四角い平面で生成されるので、それっぽい画像を準備してテクスチャとして貼り付けてやらないといけません。
昔、友達から使わなくなった古い素材集CD-ROMをもらっていたのを思い出し、本棚の奥から引っ張り出してきました。いろんな形の葉っぱばっかり集めた素材集です。なんでももらっておくもんですね(笑)。

さて、この朽木をこんな感じで配置してみました。
アイビーだけ流用して周りにも配置してみます。
バックの霞の中に見える大木も追加します。
女性の髪の毛とドラゴンの髭をパーティクルヘアーで追加します。

また、ドラゴンの目は、影の中でも光って見えるように、うっすら赤い放射をかけています。
眼球だけレンダリングするとこんな感じです。
ワニの瞳が縦に割れていたのでこれにならって縦に長い瞳にしてみました。
瞳の部分はスカルプトモードで凹ませて、ひとまわり小さい赤い球体を重ねています。

全ての部品が揃いました。地面や、バックの霞、光と影を作るための遮光板なども配置すると、全体はこんな感じになります。

カメラを設定して、エイヤッとF12を押してレンダリングを開始!そして待つこと5時間。
こんな感じに仕上がりました。
クリックすると大きな画像が表示されます。

ちょっとノイズの多い画像になりましたが、これはこれでいいかな。
タイトルは「最期の竜」としました。

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